日曜日, 6月 20, 2010

2010年6月17日福島第一原発2号機の事故

 原発に詳しいTYさんと廃棄物処理の技術者TRさんの示した、事故の概要と問題点は以下の通りです。
====TYさん=========
2010年6月17日福島第一原発2号機で事故がありました。
現在までの新聞記事と東電広報の情報をあわせて、事故の時系列を整理
すると下記のようになります。

F1-2事故について
1、2010年6月17日14:52  発電機界磁遮断機トリップ警報
2、発電機保護装置作動、発電機停止
3、タービン、原子炉自動停止(制御棒自動挿入)
4、プラント電源喪失
5、非常用ディーゼル発電機起動
6、原子炉給水ポンプ停止
7、原子炉水位低下(2m)(あと40センチでECCS作動)
8、原子炉隔離時冷却系起動、原子炉給水開始
9、10分後に原子炉未臨界状態に達す

問題点
1、内部電源喪失時、外部電源への切り替えに失敗の原因は?
2、電源喪失状態で10分間臨界状態にあったのか?(自動停止の失敗か?)
3、上記時系列の5と6の順序は?(非常用ディーゼルの立ち上がり時間の問題か?)

====TRさん=========
界磁遮断器のトリップの原因が何か、が問題です。通常ではあまり故障の起きない部分です。界磁電源が喪失すれば発電機の運転は不可能なので発電機停止は良し、です。発電機という負荷を失ったタービンが停止するのも良し、原子炉の自動停止もよろしい。問題はここからで、原子力発電所を最初に運転するときのことを考えれば当然と思うのですが、通常は他の発電所からの電力を受電しており、原発が稼動し、発電機が電圧確立した後に調相器にて調整して系統に並列させます。すなわち自動電圧調整装置(AVR)にて電圧を、調速器で周波数を、調相器にて位相を系統と合わせた後、発電電力を系統に投入します。逆の場合には、つまり原発を解列したならば系統の電力が原発所内に流入します。停電にはなりません。普通、ディーゼル発電機が起動するのは、不足電圧継電器というリレーが全停電を感知したときに起動し、通常、起動から電圧確立までは30秒程度です。その間の30秒程度の間は文字どおり「全停電」になりますが、最低限必要とされる負荷(たとえば制御用コンピュータ電源、遮断器の投入電源、制御盤の操作電源、非常用照明など)のみUPS(無停電電源装置)から供給されます。通常UPSから供給できる電力はコストを考えれば、先に書いた負荷のみが限度であり、給水ポンプのような動力負荷は対象外であると思います。したがって「5」と「6」の順番は逆ではないか、と思います。
私が疑問に思ったことをまとめると以下のとおりです。
(疑問点)
1 界磁電源喪失の原因
2 原発における系統との並列運転の実際
3 UPSの仕様、ディーゼル発電機の仕様
4 「5」と「6」の順番

====TYさん=========
福島第一原発二号基がECCSに関わる事故を起こしたのは三度目です。
前二回は、1981年5月12日と1992年9月29日です。
今回の事故はシステムの脆弱制を露にした深刻な事例ですが、政治もマスコミも沈黙しています。
それに乗じて東電も一片のプレスリリースを出したまま沈黙しています。
TRさんが提示された疑問点は私も共有しています。
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 ECCS(非常用炉心冷却装置)についての説明が以下のURLにあります。
http://www.bousai.ne.jp/vis/bousai_kensyu/glossary/ki26.html

あわや『メルトダウン』、いわき市議会議員佐藤かずよし氏のブログ

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